遊山(春 2021.04.02記)

「お手伝いに行くなら、物見遊山(ものみゆさん)じゃ駄目だからね」。祖母から諭されたことがあった。以来、遠のいていた言葉だったが、ふるさとのパステルトーンで彩られた春の山並みを眺めるにつけ、今ではお気に入りの言葉となっている。
埃をかむった書棚の広辞苑をひと吹きして「遊山」の語源を調べてみた。
山野に遊びに出ることの意で、そもそもが仏教語とのこと。
もっとわかりやすい記載がWEBにあった。「遊」は自由に歩きまわること、「山」は寺のことで、修行を終えた後に他山(他の寺)へ修行遍歴の旅をすること。転じて、山野の美しい景色を楽しみ、曇りのない心境になることを意味するらしい。気晴らしに遊びに出かけたりという幅の広い解釈もありました。「物見」は、文字どおりに見物するの意で、これは仏教語由来ではないとのこと。仏教語にちょっとお気楽な「物見」をプラスした四字熟語が軽快で心地よい。
ふたたび地元の山野や川岸、農園、街なかを「遊山」してみよう、ゆっくりのんびりと